地域医療連携とは。円滑な医療サービスを提供するための具体策
高齢化が急速に進展するなか、必要とされる医療の内容も変化しています。これまでの“病院完結型”の医療ではなく、患者の住み慣れた地域や自宅での生活のために地域全体で支える、“地域完結型”の医療が求められるようになりました。
地域医療連携とは、中核病院や診療所、在宅医療などの役割分担によって地域における患者の治療を一体的に行うことです。
病院・訪問看護ステーションでは、地域完結型の医療を行うために地域医療連携の実現が必要となります。
この記事では、地域医療連携の概要や求められる背景、実現する具体策について解説します。
目次[非表示]
- 1.地域医療連携が求められる背景
- 2.地域医療連携で期待できる効果
- 3.地域医療連携を実現する具体策
- 3.1.①地域医療連携推進法人制度の利用
- 3.2.②オンライン診療の導入
- 3.3.③地域医療連携システムの導入
- 4.まとめ
地域医療連携が求められる背景
地域医療連携が求められる背景としては、以下が挙げられます。
▼地域医療連携が求められる背景
- 中核病院への患者の集中
- 高齢化の進展による医療需要や介護需要の高まり など
患者が必要以上に高度な医療を求めて中核病院に集中してしまうと、中核病院における医師の負担が増大したり、中核病院でしか対応できない医療に支障をきたしたりするリスクがあります。特に、近年では高齢化の進展で医療需要が高まっているため、限られた人材・設備・予算で対応するには医療機関の役割分担を明確にしたうえで連携を行って、患者を分散させることが重要です。
また、高齢化によって医療需要だけでなく介護需要も高まっており、訪問看護や訪問リハビリテーションなどの在宅医療とかかりつけ医の連携が欠かせないものとなっています。
地域医療連携で期待できる効果
地域医療連携を行うことで、患者情報の共有・連携が容易になり、中核表員以外の医療機関で患者を診察・治療できます。これにより、以下の効果が期待できます。
▼地域医療連携によって期待できる効果
- 患者集中の回避
- 施設設備に応じた治療の分担
- 医師の負担軽減
- 離職の回避
- 患者への適切な医療の提供
- 医療の質向上 など
地域医療連携を実現する具体策
地域医療連携を実現するための具体策としては、地域医療連携推進法人制度やオンライン診療、地域医療連携システムなどの活用が考えられます。
①地域医療連携推進法人制度の利用
地域医療連携推進法人制度とは、地域における医療期間の機能分担や業務連携の推進を主な目的とする一般社団法人について、都道府県知事が認定を行う制度です。
病院や診療所、介護事業所などの法人は、認定された一般社団法人に参加することで、参加法人間での連携の強化が期待できます。
▼地域医療連携推進法人制度の活用による連携強化の例
- 参加法人間での病床の融通
- 医療従事者の再配置
- 患者紹介・逆紹介の円滑化
- 医薬品・医療機器などの共同購入
- 医療従事者の共同研修 など
出典:厚生労働省『地域医療連携推進法人制度について』
②オンライン診療の導入
オンライン診療とは、スマートフォン・タブレット・パソコンなどの端末を用いて、自宅にいる患者に向けて医師の診療や薬の処方を行うことです。
オンライン診療を導入することで、僻地における医師不足を補ったり、医療機関と在宅医療の連携をスムーズに行ったりできると期待されます。
▼僻地医療の現状についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
③地域医療連携システムの導入
地域医療連携システムとは、地域の医療機関において患者情報の共有を行うためのシステムです。
地域医療連携システムを導入することで、以下が行えるようになります。
▼地域医療連携システムでできること
- 医療機関紹介の効率化
- 二重投薬や二重検査の防止
- 患者の負担軽減 など
また、地域医療連携には医療機関同士だけでなく訪問看護をはじめとする在宅医療との連携も重要です。そのため、病院と在宅医療との連携も効率化できるシステムの導入が求められます。
まとめ
この記事では、地域医療連携について以下の内容を解説しました。
- 地域医療連携の概要
- 地域医療連携が求められる背景
- 地域医療連携を実現する具体策
地域医療連携とは、医療機関同士や在宅医療との間で役割分担を行って地域における患者の治療を一体的に行うことです。地域医療連携を実現することで、中核病院への患者の集中を防いで高齢化に伴う医療需要や介護需要の高まりに対応できるようになります。
地域医療連携を実現するには、法的な制度を活用するほかにシステムの導入が有効です。
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