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多職種連携の重要性と情報共有を円滑に行う方法

近年、高齢化率が進む日本で在宅医療の需要が増加しています。在宅医療の質を高めるには、病院内と病院外で異なる職種が連携し、協同しながら患者のケアを行うことが重要です。

多職種連携(多職種協働)に課題を感じながら、「多職種間連携を円滑に進める方法が知りたい」「病院内と病院外での情報共有を効率的に行いたい」と考える担当者の方もいるのではないでしょうか。

本記事では、医療現場で多職種連携が重要視される背景や情報共有の課題とともに、ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)を活用した情報共有の方法や注意点を紹介します。

経済産業省『高齢者だけじゃない!需要増す在宅医療


目次[非表示]

  1. 1.多職種連携が重要視される背景
  2. 2.多職種連携における情報共有の課題
    1. 2.1.①リアルタイムな情報共有が難しい
    2. 2.2.②職種間で知識の差がある
  3. 3.多職種間の情報共有を円滑にするICT
  4. 4.情報共有にICTを利用する際の注意点
  5. 5.まとめ


多職種連携が重要視される背景

医療現場で多職種連携が重要視とされる背景には、高齢化率の上昇があると考えられます。『令和5年版高齢社会白書(全体版)』によれば、2022年における日本の高齢化率は29.0%でした。


高齢化率の上昇

画像引用元:内閣府『令和5年版高齢社会白書(全体版)


日本の高齢化率は今後も上昇を続け、2037年には33.3%となり、国民の3人に1人が65歳以上になると見込まれています。

この現状を受け、政府は、高齢者が疾病を抱え、要介護状態になっても、自分が住み慣れた環境で自分らしい生活を続けられるように、医療・介護を包括的に提供できる地域包括ケアシステムの構築を推進しています。


出典:内閣府『令和5年版高齢社会白書(全体版)



多職種連携における情報共有の課題

地域包括ケアシステムを構築するうえでは、異なる分野の専門家が病院内・病院外で協同する多職種連携が欠かせません。

一方で、多職種連携を進める際に懸念される課題もあります。


①リアルタイムな情報共有が難しい

1つ目は、リアルタイムな情報共有が難しいことです。

多職種連携においては、定期カンファレンスや手書きの申し送りなどを用いた情報共有が行われるのが一般的です。

しかし、紙媒体を用いた情報共有の場合、情報の伝達に時間を要することがあり、リアルタイムの情報共有をすることが困難です。また、病院内の医師と訪問看護師で情報共有が必要な場合、電話を利用することもできますが、タイミングが合わずに電話が通じず、情報共有や不明点の確認が遅れてしまうこともあります。

なお、手書きの申し送りに関しては、情報が増えるほど管理が難しくなるのも欠点です。


②職種間で知識の差がある

2つ目は、職種間で知識の差があることです。

多職種連携の強みは、各分野の専門家がそれぞれの知識や経験を生かして補い合いながら患者のケアに当たれることです。

一方で、職種によって専門が異なるため、自身の専門外の分野に関しては知識に差があるのが一般的です。同じ職種間では伝わる用語や表現も、異なる職種の相手には伝わらず、知識の差が情報共有の障壁になることがあります。

例えば、訪問看護師が病院内の医師に電話でアドバイスを仰ぐ際、言葉だけで状態を確認するのは容易ではありません。医師が自身の目で確認できるように、結果的に患者に外来を受診してもらわなければならないといった状況も起こり得ます。



多職種間の情報共有を円滑にするICT

多職種連携での情報共有に課題を感じている場合は、ICTを利用するのも一つの方法です。


▼ICTの利用で期待できる効果の例

  • リアルタイムに情報共有ができる
  • 相手の状況を確かめずに情報を共有できる
  • 言葉にして伝えづらいことを写真や動画で伝えられる
  • 一度の書き込みで複数の相手に情報を共有できる など


ICTを利用することで効率的な情報共有が行えるようになれば、多職種間のコミュニケーションで発生しやすい認識齟齬(そご)や共有漏れを防げるようになると期待できます。



情報共有にICTを利用する際の注意点

病院内・病院外の情報共有に貢献するICTですが、利用する際はいくつか注意点があります。


▼ICTを利用する際の注意点

  • 患者本人や患者の家族に説明をして同意を得る
  • パソコンやタブレットなどの操作が苦手なスタッフに対して教育を行う必要がある
  • 専門用語の多用を避け、多職種で理解できるように努める
  • 写真・動画を撮影する際は必ず患者の同意を得る など


多職種連携で患者に関する情報共有を行う際には、必ず患者や患者の家族から同意を得る必要があります。

また、職種の異なる相手に患者の症状やケアの方法を説明する際には、専門用語の使用を控えて、分かりやすい言葉で説明する心遣いも求められます。

ICTを利用しつつ、お互いを尊重したコミュニケーションを意識して協同することで、多職種連携をより円滑に進められるはずです。



まとめ

この記事では、多職種連携における情報共有について、以下の内容を解説しました。


  • 多職種連携が重要視される背景
  • 多職種連携の情報共有で発生する課題
  • 多職種間の情報共有を円滑にするICT
  • ICTを利用する際の注意点


多職種連携では、コミュニケーションがうまく取れないことや、情報共有が正しく機能しないことがあります。職種や勤務地、勤務時間が異なる相手と協同して患者のケアを行うために、ICTを利用して情報共有を効率化できる仕組みを整えてみてはいかがでしょうか。

ディピューラメディカルソリューションズ株式会社の『kaleido TOUCH(カレイド タッチ)』は、多職種連携の円滑化に役立つ機能がそろう医療従事者間ICTアプリケーションです。リアルタイムな情報共有が可能なチャット機能や、遠隔指示できるビデオ通話機能をはじめ、直感的なコミュニケーションを実現する機能がそろっています。

また、医療水準を満たす機密性の高い情報セキュリティを誇り、病院内・病院外で安心して使用できます。気になる方は、お気軽にお問い合わせください。

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